映り込まないものと感覚世界
スキャナーの上を素早く私の手が通る。プレビューには映らない、確かにその瞬間にあったもの。
タイムラプスもそうだ。その瞬間に存在していたにもかかわらず、シャッター速度により消失したもの。
当たり前のようで、ものすごく不気味だ。
私を取り囲むように無数に存在する物質も、ほとんどは目に見えない。あまりにも微細だからか。。。
幽霊の存在も否定できないのは、それはそうだと思う。異次元ワールドも、私はあると思うのだ。
それだけ、私たちの感覚器官は限定的だ。他の哺乳類や、もっと他にも昆虫や魚たちがみる世界もそれぞれ限定的で、私たちはその世界を、少なくとも今はまだ、疑似体験としてではなく、自分の感覚として認識することができない。
映り込まないものを想い、時に空気がものすごく重く、息苦しくなる。聞こえないものを聞こうとして、平衡感覚を失う。
この世界には何があって、なにが見えていて、なにが見えていないのだろう。
すべてを感じることができるということもまた、きっと恐ろしく、キャパシティオーバーになるだろうけれど、あまりにも曖昧なこの現状にもまた恐れ慄く。
自分の存在の不確かさと共に、無数の可能性の隙間をみた気がした。