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未開の航路

あぁそうか。

コロンブスはすごいんだ。

改めて実感する。

 

SFの小説を読んでいた。

地球から離れて進む宇宙船の中

当たり前だった酸素や地面が揺らぎ

頼みの綱はその船でしかなかった。

設計主と整備士を信じるしかない。

どんどん地球が遠ざかっていく。

まだ見える、まだ見える。

…もう星屑の1つになった。

そこでは

心細さとともに常識が常識でなくなり

新しい常識とルールが生まれる。

 

時間の感覚も昼も夜もなく意味を持たない。

時計がなければ地球の時間もわからない。

そうか、地球上ですら絶対的な時間がなかったのかと思い知らされる。

過去や未来の感覚もない

今、今しかない。

目指す星があるはずだと信じて進んでいるだけだ。

 

現代で考えればそういうことかなと思った。

 

かつて地球が丸くなくて、

像に支えられたり、

亀に背負われたり、

星々は天井の模様だったころ

海の向こうはとてつもなく遠くて、

とてつもなく未知だったと思う。

 

コロンブスの時代はそこまで神秘的ではなかったはずだけれど

なんの頼りも保証もなくて、想定の島だけを目指して、ひたすらに進んでいて

突如として海の果てがあらわれるかもしれない。

そんな可能性は、まだきっとあった思う。

 

 

月に行ったアームストロングもしかり。

「未知」と「未開」との対峙にはどれだけの覚悟が必要なものか、と私はふと口を噤む。

 

生きるか死ぬかとかいう問題のみならず

「当たり前」や「常識」という地に足をつけ生活している時には想像できないほどの恐怖と、

それがどれだけ不安定であるかという事実で

身体中に冷たいものがはしる。

 

いつか、ずーっとずっと先に、

私がこの世にいなくなってしまうくらい先には

宇宙を、まるで飛行機のように飛び交う宇宙船ができるかもしれない。

月エレベーターも夢じゃないかもしれない。

でもきっと、その時にはまた、

未知と未開が、その先にはあって

そこに挑む果敢な勇者たちがいるのだろうなと思う。

 

規模は違えど、そんな勇者はそこら辺にもいっぱいいるのかなとも思えたりする。

私たちにとって今日も明日も

未知と未開で溢れている。

どこにいようと

なにをしていようと

だから自信をもったらいい

うん、自信をもとうっと。

 

私もまたコロンブス同様、

この人生の航路を切り開いているんだろうな。

あるかもしれない恐ろしい世界と、夢だったかもしれないほど不確かな過去たちといつも対峙しているのかな。

自分が信じたいものを信じて、目指したい星に進んでる。